おしらせ | 2025年6月4日
「日本音楽の魅力発信プロジェクト」の三曲チームの5名(上原真佐輝、黒田鈴尊、小室旺士、平田紀子、寺井結子)は、2025年6月4日(水)の18時から19時40分に、アンスティチュ・フランセ日本の東京日仏学院(東京都新宿区市谷船河原町15)において、「Soirée Sankyoku(三曲の夕べ)」と題するワークショップを催しました。会場は映画や講演のためのホールであるエスパス・イマージュで、66名の皆様(演奏者、スタッフを含む)が集まりました。お客様の多くはフランス人で、お子さんのご参加もありました。
三曲チームの5名 地歌《松竹梅》の演奏
お客様による楽器体験
このワークショップは、東京日仏学院、在日フランス人・フランコフォン協会(l’Association des Français et francophones du Japon。以下「AFJ」と略記)、日本音楽国際交流会の三者による共催という形で行われました。東京日仏学院のジェレミー・オプリテスコ様(東京・横浜日仏学院院長)とカリム・ブラバ様(マーケティング部イベント担当)、AFJのジャン=マルク・リスネ様(AFJ理事長)の多大なご尽力とご理解により実現したものです。解説は、基本的には日本語で行い、お客様には同時通訳用のトランシーバーをお持ちいただきました。フランス語への同時通訳は白石悠里子さん(武蔵野音楽大学非常勤講師)にご担当いただきました。
催しは、ジャン=マルク・リスネ様のご挨拶で始まり、演奏と楽器紹介(箏、尺八、三味線)に、お客様による楽器体験(箏、尺八)のコーナーを組み合わせるという構成でした。演奏には山田流箏曲《赤壁賦》(箏2面と尺八1管の合奏)、地歌《茶音頭》(三味線2挺の合奏)、地歌《松竹梅》(三味線2挺、箏2面、尺八1管による三曲合奏)を選んで、いろいろな楽器編成による三曲の魅力をお客様に楽しんでいただきました。
山田流箏曲《赤壁賦》の演奏
地歌《茶音頭》の演奏
楽器紹介では、箏の絃名や尺八の指孔名を会場の皆様と一緒に発音してみたり、フランス国歌のラ・マルセイエーズのメロディを例にしてみたり、自然音を表現する音をクイズ形式でお客様に想像していただいたり、工夫を交えて、各楽器の基本的な特徴をご説明しました。
楽器紹介:尺八(黒田)
楽器紹介:箏(上原、小室)
楽器紹介:三味線(平田、寺井)
楽器体験は30分ほどの限られた時間でしたが、お客様は、箏爪をはめてご自分で鳴らす箏の美しい音にワクワクし、息を吹き入れても音が出ない尺八に四苦八苦し、思い思いに楽器体験を楽しんでくださいました。質疑応答では「皆さんはいつから楽器を習い始めたのですか」「おめでたい《松竹梅》を難しい顔で演奏しているのはなぜですか」などのご質問が出て、大いに盛り上がりました。
三曲チームは、2026年の秋にフランスを中心とするヨーロッパ公演を行う予定にしています。東京日仏学院でのワークショップは、三曲チームのメンバーにとっての貴重な経験となりました。ご協力くださいました皆様、お客様に、この場をお借りして、心よりの感謝を申し上げます。
(写真撮影:Maki Takagi)