おしらせ | 2025年05月21日

「日本音楽の魅力発信プロジェクト」邦楽アンサンブルチームによる
ワークショップ実施報告

 2025年5月21日(水)18時30分~20時、東京都港区にあるオーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会(通称OAG)図書室にて、「日本音楽の魅力発信プロジェクト」の邦楽アンサンブルチーム(J-TRAD Ensemble MAHOROBA)6名によるワークショップ『MAHOROBA―新たな音を求めて』が開かれました。OAGの図書室では、毎週水曜日に会員に向けた講演が行われており、そのテーマはさまざまですが、これまでに「水引」、「鏡餅」など、日本文化に触れることもありました。このワークショップはその一環として行われたもので、日本の伝統的な楽器や音に触れる貴重な機会となりました。また、OAGの月刊情報誌『OAG NOTIZEN』5月号(表紙:本條秀慈郎)にこのワークショップが特集として掲載されましたので、参加者の多くが事前にこの冊子から情報を得ていたようでした。

オーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会 オーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会
東京都港区赤坂7-5-56ドイツ文化会館内
邦楽アンサンブルチーム 邦楽アンサンブルチーム
(J-TRAD Ensemble MAHOROBA)

 参加費は無料、OAGのマイケ・ロエダさんとルイーゼ・カーロウさんが通訳をつとめてくださり、参加者は主にドイツ人でしたが、30人強の方が席を埋めました。全体は休憩なしの90分。図書室を使用してのワークショップでは、縦に長い図書室の長い面を演奏場所として使い、客席と演奏者の位置が非常に近い、お客様にとってはとても楽しめる空間でした。

マイケ・ロエダさんとルイーゼ・カーロウさん マイケ・ロエダさんとルイーゼ・カーロウさん
《三番叟》の小鼓の唱歌と手拍子 《三番叟》の小鼓の唱歌と手拍子

 最初にメンバーの紹介、そのあと参加者とともに囃子のリズムを手拍子に合わせて唱歌で歌うコーナー (ここまで10分)、MAHOROBAによる曲目解説と演奏(50分)、最後に質疑応答(30分)でした。ドイツ人はシャイなので、口唱歌に参加してくれるかどうかとOAG側が心配くださいましたが、実際には、みなさん大きな声で歌い、手拍子にも参加くださいました。この部分はほとんど通訳の必要はなく、大いに盛り上がりました。各コーナーを出演者全員で分担して日本語で解説を行いました。MAHOROBAの演奏は《三番叟》(森円花作曲)、《Travelling dances》(ディエゴ・ラモス作曲)から第3楽章(一部)、《ピアノ・メディア》(一柳慧作曲・中村匡寿編曲)の3曲。『新たな音を求めて』というこの日のタイトル通り、どの作品も伝統楽器のさまざまな演奏法を駆使したもので、お客さまは演奏者との距離が近いこともあり、演奏者の手元や口元を熱心に眺めていました。
 最後の質疑応答では、盛んに手を挙げて質問してくださり、このプロジェクトでこれから海外での演奏をめざすMAHOROBAのメンバーにとって、外国人が日本の演奏家に何を求めているのかを知る良い機会になりました。こうした貴重な機会を与えてくださったOAGのみなさまに心から感謝申し上げます。

《ピアノ・メディア》(一柳慧 作曲) 《ピアノ・メディア》(一柳慧 作曲)
『OAG NOTIZEN』表紙 OAGの月刊情報誌 2025年5月号
『OAG NOTIZEN』表紙
Page Top