楽曲編成 |
春秋の、眺めつきせぬにほの海、霞のひまに見わたせば、波の粟津の雲晴れて、千船百船打ち出での、浜をあとなる追風に、真帆あげ帰る矢走潟。 はや夕日さす浦々の、景色を見つつわたるには、瀬田の長橋ながからず、眺めるうちに三井寺の、入相つぐる鐘の声。 比良の高根は白雪の、やや肌さむき浦風に、おつる堅田のかりがねも、数さへ見えて照る月の、影もさやけき石山や、昔の跡のしのばれて、夜半の時雨も唐崎の、松には千代の声すなり。 君がみいづのあきらけく、治まる御代にあふみ路や、名にきこえたる八つの名どころ。
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