楽曲編成 |
いにしへの、奈良のみやこの八重がすみ、かすがの野へのさをしかの角もいつしかをちこちの、ゆききの人のながめぬる、南円堂の藤波や、さかりは夏にかかりたる、その松がえのふりもよく、三笠の山や雲井坂、あめにこえゆくうば玉の、やみの蛍か金砂子、棹さす舟の佐保川に、風も涼しき鈴の音の、ふるの社の神さびて、けがれ心も猿沢の、池に宿れる月の影、昔の人のかたみぞと、見るや采女が衣かけし、柳も一葉散る秋の、舟をたくみしささがにの、そのふることをおもひねの、枕にひびくとどろきの、橋ふみならす駒のあし、なくや鈴虫くつわむし、りんきのかほも三輪の里、いとくりかへすたまづさや、板屋にはしる玉あられ、すゑは雪ともならざらし、さらせるさらせる布の白妙に、たえずたえずあゆみをはこぶなる、春日の宮のたふとさは、かくともつきじ、やまとことのは。
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