作曲者 藤尾匂当
曲名 八島
曲名カナ ヤシマ
作曲年
楽器構成 歌、三弦、箏
楽曲編成 釣のいとまもなみの上、霞み渡りて沖行くや、海士の小舟のほのぼのと、見えてぞ残る夕暮に、浦風さへも長閑にて、しかも今宵は照りもせず、曇りもやらぬ春の夜の、朧月夜にしくものはなし。西行法師のなげけとて、月やは物を思はする。闇は忍ぶによかよか。 うななぜ出たぞ、来そ来そ曇れ。 又修羅道の閧の声、矢叫びの音震動して、今日の修羅の敵は誰そ。何、能登守範経とや。あら、ものものしや手なみは知りぬ。思ひぞ出づる檀の浦の、その船軍今は早や。閻浮に帰へる生死の海山、一同に震動して、船よりは閧の声、陸には浪の楯、月に白むは剣の光、潮に映るは兜の星の影。 水や空、空、行くもまた雲の波の、打ち合ひ刺し違ふる船軍のかけひき。浮き沈むとせし程に、又、春の夜の波より明けて、敵と見えしは群れゐる鴎、閧の声と聞えしは、浦風なりけり高松の、浦風なりけり高松の、 朝嵐とぞなりにける。
演奏時間 15分32秒
楽譜
音源
委嘱
演奏日 昭和34年12月
演奏者 歌・三弦 富山清琴、三弦 富信清香、箏 富浦清生
備考 能「八島」より。
作曲者カナ フジオコウトウ
曲名コード 13-b1
サウンド
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