楽曲編成 |
人目忍ぶの仲なれば 思ひは胸に陸奥の 千賀の塩竈名のみにて 隔てて身をぞ焦がるる
忘るるや忘らるる 我が身の上は思はれで 徒名立つ憂き人の 末の世いかがあるべき
たまさかに逢ふとても なほ濡れ増さる袂かな 明日の別れも予てより 思ふ涙の先立ちて
雨のうちのつれづれ 昔を思ふ折から あはれを添へて草の扉を 叩くや松の小夜風
身は浮き舟の楫緒絶え 寄る辺もさらに荒磯の 岩打つ波の音につれて 千々に砕くる心かな
雲井に響く鳴神も 落つれば落つる世の慣らひ さりとては我が恋の などかは叶はざるべき
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